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【データで読み解く教育問題】日本のいじめ・不登校の実態は?文科省の調査結果を分析してみた!

こんにちは、ミライエコールメンバーのりんです。今回のテーマは日本でのいじめ不登校の現状についてです。

いじめや不登校はたびたびニュースで取り上げられ、問題視されていますが、実際に日本でどのくらい起こっているのでしょうか。今回は、令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要の結果を1項目ずつみていきたいと思います。

文部科学省では毎年、国公私立の小・中・高等学校や教育委員会を対象に児童生徒の指導上の諸課題に関する調査を行っています。ここでの諸課題とは、暴力行為やいじめ、長期欠席などをさします。

いじめ

いじめ項目の概要は以下になります。ここでは、小・中・高等学校と特別支援学校におけるいじめを調査の対象にしています。

  1. いじめの認知件数は約68万件で、前年度に比べて10.8%増加し過去最高を記録。

注)文部科学省公式HP掲載の資料より抜粋

増加の原因として考えられる理由を、以下のようにまとめています。

  • いじめ防止対策推進法におけるいじめの定義や、いじめの積極的な認知に対する理解が広がった
  • アンケートや教育相談の充実などによって生徒に対する見取りが細やかになった
  • SNS等のネット上でのいじめが積極的に認知された
  1. 年度末でのいじめの解消状況は77.1%。

注)文部科学省公式HP掲載の資料より抜粋

  • 早期発見・早期対応ができた件数は多くなったが、前年度より比率は低下した
  • 安易にいじめを解消したとみなさず丁寧な対応を行っている一方で、SNS等のネット上のいじめなど、見えづらい事案が増加したことが要因と考えられる
  1. いじめの重大事態の件数は923件で、前年度に比べて30.7%増加し、過去最高を記録。そのうち357件は重大事態として把握する以前にはいじめとして認知していなかった。

※ここでの重大事態とは、以下のどちらかに当てはまるときのことを指します。(いじめ防止対策推進法第28条第1項の規定より抜粋)

  • いじめにより、児童等の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあると認められるとき
  • いじめにより、児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認められるとき

注)文部科学省公式HP掲載の資料より抜粋

増加の要因として考えられる理由として以下のものをあげています。

  • いじめ防止対策推進法の理解が進んだことにより積極的な認定がなされた
  • 保護者の意向を尊重した対応がなされている
  • 未だ学校としていじめの認知に課題がある

不登校

長期欠席の項目のうち、不登校児童生徒についての項目の概要は以下の通りです。ここでは主に小・中学校における不登校児童生徒の調査結果を抜粋しています。

  1. 小・中学校での不登校児童生徒数は約30万人で、前年度から22.1%増加。

過去5年間の傾向として、児童生徒全体における不登校児童生徒の割合は増加している。

注)文部科学省公式HP掲載の資料より抜粋

  1. 小・中学校での不登校児童生徒数は10年連続で増加。

不登校児童生徒のうち、欠席日数が90日以上だった生徒は55.4%。

その内訳は、出席日数が0日:3.2%、1~10日:7.5%、11日以上:44.7%。

注)文部科学省公式HP掲載の資料より抜粋

この結果の要因として考えられるものを以下のようにあげています。

  • 児童生徒の休養の必要性を明示した法律の趣旨が浸透したことによる、保護者の学校に対する意識の変化
  • 長期化するコロナ禍による生活環境の変化により、生活リズムが乱れやすい状況が続いた
  • 学校生活での様々な制限で交友関係を築くことが難しかった
  1. 小・中学校における不登校児童生徒の61.8%が学校内外の機関等で相談・指導を受けている。ここでの学校内外の機関等とは、教育支援センター、児童相談所、病院、養護教諭、スクールカウンセラー等の相談員を指します。

注)文部科学省公式HP掲載の資料より抜粋

学校外の機関で指導・相談を受け、指導要録上の出席とした児童生徒数、および自宅におけるICT等を活用した学習活動を指導要録上の出席とした児童生徒数は、過去5年間で増加傾向にあります。

最後に

これまでいじめと不登校についての日本の現状についてみてきました。

認知件数の多さから、児童生徒にとって、いじめや不登校はとても身近な問題であることがうかがえます。また、いじめと不登校のどちらにおいても増加傾向であることがわかりました。

認知される件数が増えているため一見状況が悪化しているように見えますが、その背景には、より広い範囲の児童生徒がケアの対象として捉えられるようになったことや、これまでよりも手厚いサポートがなされるようになったことなど、ポジティブな要因があると捉えることもできます。

文部科学省は、個々の児童生徒の状況に応じた支援を通して、さらに教育相談体制の充実を推進することを掲げています。ミライエコールとしても、今の児童生徒を取り巻く環境やそれを支える支援体制にこれからも注目しながら、児童生徒がよりよい学校生活を送るためにどうすればよいか、考えていきたいと思います。

元データのリンク

https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_2.pdf

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