みなさんこんにちは、ミライエコールです。
先日、学生団体まなぶHUBさんとのコラボイベントが行われましたので、今回は当日の内容を記事として紹介します。
目次は以下の通りです。
1.イベントの目的
2.当日の流れと内容の詳細
3.イベントを通して
1.イベントの目的
まなぶHUBさん (以外敬称を略させていただきます)は、「自分に合う大学選び」「情報格差の解決」という理念のもと、受験をする高校生に向けたアプリ開発や、オンライン・オフライン両方のイベント運営をされています。
今回ミライエコールはまなぶHUBとのインタビュー企画を実施させていただきました。
イベント参加者としてミライエコールからはメンバー2名が参加し、まなぶHUBからは池上さんに参加していただきました。
2.当日の流れと内容の詳細
当日の流れは以下のようになっています。
①ミライエコールとまなぶHUBの団体紹介
②どのような高校生にむけてサービスを展開しているのか
③ 格差がある地域にどのようにして情報を届けているのか
④池上さんがまなぶHUBに入ったきっかけ
⑤まなぶHUBの参加型イベントとアプリ運営の2種類の活動
⑥これからの団体の展望
それぞれの内容について、詳しく説明していきます。
①ミライエコールとまなぶHUBの団体紹介
まずは両団体の紹介をしました。ミライエコールについて知りたい方はこちら、まなぶHUBについて知りたい方はこちらをご参照下さい。
②どのような高校生にむけてサービスを展開しているのか
次に、高校生の情報格差についての現状を深掘りして、まなぶHUBが活動する中での高校生の具体例などをうかがってみました。
池上さん
「私たちが格差を感じているのは受験についての情報を得にくい地方の高校生です。彼らは受験についての情報を得られる場所(進学校、本屋など)が少なく、それを補うような形でサービスを展開しています。また、地方だけでなく、目標に向かって一緒に頑張る仲間がいない受験生も情報を得にくいと思っています。身の周りに勉強できる場所が少ない、家でも親が勉学の協力してくれない高校生が相談してきてくれたケースがあり、受験の際に頼れる存在が大事だと実感したので、私たちがそのような存在になりたいです。他に地方の格差を感じるものとしては、都会の高校生からすると当たり前だとしても、意外と参考書の使い方などの質問が多くあったことがありました。」
ここで強調されるべきことは「幅広い可能性から生じるディスアドバンテージ」についてです。今回ミーティングに参加したミライエコールのメンバーの1人も実際に田舎の学校の出身で、周りに塾もなければ学校も遠く、相談できる人も受験生のときにはいませんでした。だからこそ、そういった支援があると大きな助けになるという池上さんの考えに共感し、情報、環境、経済の格差などを想起しました。それに対して、池上さんは以下のように話します。
池上さん
「地方はさまざまな問題が重なっていることも事実ですが、地方か都会かということだけが問題なのではなく、塾に通っているか通っていないかなど他の要因でも同じように格差は起こってしまうので幅広く高校生を助けたいと思っています。」
ここでミライエコール側は、どのようにそういった地方の高校生と信頼関係を築いているのかという疑問が生じました。
池上さん
「インターネット上だと仲を深めるまでは行かないですが、追い込まれた厳しい環境にいると、意外と状況説明をしてくれます。最近はラインのオープンチャットでけっこう話してくれます。」
③格差がある地域にどのようにして情報を届けているのか
池上さん
「オンライン上で情報を届けています。インターネットでは格差がなく、基本的に誰でもアクセスできるからです。また、オンラインイベントを積極的に開いています。以前は勉強会も開いていました。好奇心をかきたてるような問題を出して配信で解説するなども行ったことがあります。」
まなぶHUBの配信は本当に分かりやすく、高校生の時にあったら良いなと思うものばかりです。続いて池上さんに、皆が高卒で就職するような地方のコミュニティにいる高校生に、大学進学の選択肢を与えるというようなアプローチする際、伝統的な価値観が大きい中で難しかったことはあるかお聞きしました。
池上さん
「ある地方在住の高校生がよく質問してくれるんですよね。自分の家から通える薬学系の大学を志望しているようで、とりあえず薬学系ならいいみたいな感じで、あまり考えていなさそうなんです。地方はそもそも大学が少なくて、全国の大学の7割は3大都市圏にあります。地方の高校生は限られた選択肢となってしまうのでなんとかできないかというジレンマがあります。」
池上さんは先ほどの「全国の大学の7割は三大都市圏」というデータを、文部科学省のデータから得られたと「大学生の7割が三代都市圏内の大学に通っている」という資料と照合しながら補足してくださいました。
④現メンバーがまなぶHUBに入ったきっかけ
池上さん
「私に関しては、都心の進学校だったのですが、コロナ禍でのクラス替えがきっかけで話せる人があまりいませんでした。自分は公立で、他に兄弟が私立に通っていたことから、あまり塾に通えないなと思いました。こうした体験が元です。他のメンバーに関しては、何かしら自分が困った経験があるから入ってきているという場合が多いです。自分が大学生として困っている高校生を助けたいという思いのメンバーです。」
池上さんは、自分自身が恵まれた状況にあったと話しながらも、地方に困っている高校生がいる割合が高いことを認識し、さまざまな理由から入ったメンバーと高校生を助けたいという共通の目標を持って活動されていることが分かりました。
⑤まなぶHUBの参加型イベントとアプリ運営の2種類の活動
池上さん
「ネット上で届けたいという考えがありました。ネットの中でも、SNSが挙げられますが、SNSは他の情報の流入が多く、アプリであればSNSとは違い、運営側が目の届くように管理ができると思い、そういう考えを持ったメンバーが集まって開発されました。このアプリの特徴として、質問回答者の質が保証されているというのがあります。回答する大学生はまなぶHUBのメンバーか、つながりのある人で、確認済みです。信頼できる人たちです。」
イベントについてもうかがってみました。
池上さん
「オンラインでの高校生、大学生との交流会、自習室、問題解説などを開いており、今後も継続していこうと思います。イベントは機会があるときに開いているものなので、アプリやチャットは参加できない人向けの立ち位置になっています。」
アプリ開発から始まったまなぶHUBで、なぜイベントを開催するようになったのかという疑問には、以下のようにお答えいただきました。
池上さん
「アプリだけでなく、アプリでは行き届かない支援をするために直接の交流を目指しました。直接関わることで、どういう問題を抱えているかより深い交流ができます。そうした交流で困りごとを解決したいと考えています。」
⑥これからの団体の展望
最後に、これからの団体の展望についてうかがいました。
池上さん
「メンバーによってそれぞれありますが、今までの団体ができなかったことを自分はやりたいと思っています。高校生は、地方だから、非進学校だから、とカテゴライズせずに助けたいです。困っている人を発見したときに、同じように困っているにも関わらず、周りに気づいてもらえていない人が他にもいるのではないか、という視点を持ちたいです。また今はAIが自動で答えてくれるチャットボットを作ろうとしているところです。数式送ったら返してくれるとか、勉強計画を作ってくれるAIなどやったことがないことをやりたいです。今度の駒場祭では本を出版したいですね。」
まなぶHUBの助けを求める高校生に対しての実直な精神が、しっかりと活動に現れていることが今回のミーティングでしみじみと感じました。
3.イベントを通して
当初まなぶHUBにインタビューをする前は地方との情報格差を主に感じていたのですが、話を聞くと地域格差や経済格差など様々な要因が複雑に混ざり合いながら、結果として大きな教育格差が生まれていることが分かり有意義な時間になりました。その際のアプローチでもミライエコールに参考になる部分が大きく、今後の活動の助けになるものだと思いました。
最後に、今回のイベントに参加し、ご協力いただいたまなぶHUBさん、実際にミーティングしてくださった池上さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。
ミライエコールでは今後も新しい記事やイベントを予定していますのでご期待下さい。
ご覧いただきありがとうございました。