ウェブメディア

「教育格差」って何?高校での体験から感じた学校教育の問題と改善点

〈自分の経験から思うこと〉

 今回の僕の経験はほんの一例にしか過ぎませんが、塾に行きたくても様々な要因(特に経済的)で行けない学生が多くいることはデータを見ても明らかです。

文部科学省の「平成 30 年度の子供の学習費調査」によると、世帯年収 200 万円未満の家庭での子供に対する塾などの学校外活動費の平均支出額が年間 13 万 3590 円なのに対し、1000 万以上の家庭では 30 万円を超えるなど大きな差があります。

出典:国立大学法人お茶の水女子大学「平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」を元にスタディクーポン・イニシアチブが作成したものを引用

また、2022 年の総務省の調査では世帯年収 200 万以上 550 万円未満の家庭における塾などの補習教育の対する支出が 2019 年と比べ減少している一方で、年収 1250 万以上 1500 万円未満では 60%も増えているというデータが取られています。

これはコロナ禍などの影響で困窮家庭が教育費を削減する一方で、富裕家庭ではより教育費に投資するという流れが強まっていることを示しています。

出典: 総務省の家計調査を元に東京新聞が作成したものを引用(2023年5月23日)

 これらのデータからも分かるように経済的な格差が教育の格差を生み出し、その二極化が進んでいることが明らかです。そのような二極化の傾向は、一部の恵まれた層のみが高いレベルの教育を受け、高い学歴や社会的地位を獲得し、それが子供にも受け継がれていくという「文化的再生産」とも呼ばれるものです。

さらに、首都圏の大学生を対象としたアンケートでは、約 8 割もの学生が高校時代に塾に 通っていたというデータもあります。つまり、大学などの高等教育を受けるためには塾が事実上必須となっている現状があります。しかし、僕はこのような当たり前ともいえる現象に 大きな疑問と問題点を感じます。それは、これからの人生を築いていくための勉強や学習の 機会が、生まれつきの要因で制限されているということです。だからこそ、そのような不可抗力的な環境に左右されることなく、個人の努力が最大限反映される教育のあり方が理想であると考えています。

そのためには、教育における①経済的な要因②地域的な要因からこの問題を考えていく必要があると思います。

続きを読む

コメントを残す

*