〈教育格差の2つの要因〉
まずは①経済的な要因について考えてみます。そのような教育の機会の不平等をなくすためには、普段通っている学校教育の見直しが必要であると考えています。つまり、学校の中で個人のレベルにあった教育が行われ、将来の夢や志望校の合格の実現に向かえる環境が作られることが理想であるということです。しかしそれでは、学校側の負担が今まで以上に大きくなってしまいます。
そのため、従来の学校と塾の立場を見直し、切り離されていた学校の教育と塾の教育を一体化させたり連携さたりすることで、 今まで行われてきた塾などの学校外教育を学校内の教育として完結させることができるのではないかと思います。イメージとしては、部活動で外部から監督やコーチを招集するように、塾や予備校の講師が学校で講義を行うことで今までよりも費用を抑えながら、経済格差に関係なく全員が自分に合ったレベルの勉強ができるのではないでしょうか。もちろん、この提案には多くのメリットと共にデメリットが存在するため一概に良いとは言えないですが、教育の機会の不平等をなくすという点においては効果的であると考えます。
次に②地域的な要因について考えてみます。 例えば、東京などの都市部の学生と地方の田舎の学生では入ってくる情報量に大きな差があります。情報戦ともいえる受験においてそのような地域的要因による情報格差は非常に不利な状況を招いてしまいます。また、僕が体験したような周りに大手の予備校や塾がないという状況も地域的な教育格差の一つです。僕は大学進学と共に上京したのですが、大学の友人と話していると自分が高校生の時に全く知らなかった受験や大学の情報を知っていたという経験をしたことが何度かありますし、東京の街を歩いていても至るところに予備校や塾があり、その多さや種類の豊富さに驚かされます。やはり、周りに学べる環境がなかったり、情報が入ってこないというのは自らの進路の選択肢が制限されることにつながり、教育格差を生み出すと考えられるでしょう。
このような問題の解決策の 1 つとしてオンライン教材の普及が挙げられると思います。有名なもので「スタディサプリ」などの比較的安価で質の高い学習教材があったり、大学や入試に対する情報に対してオンラインで相談できるプラットフォームがいくつか存在していたりはするものの、やはりその種類はまだまだ限られているのが現状です。また、そのような技術やメソッドを発展させながら GIGA スクール構想などの ICT 化が進められている日本の学校教育の現場に取り入れていくことは地域による教育格差をなくすための一つのアイデアとして挙げられると思います。
〈終わりに〉
皆さんはこのような体験や提案に対して、どのように思われるでしょうか。先程も述べましたが、環境に関係なく学生全員が満足のいくレベルの教育を受けられてこそ理想の教育で あると僕は考えています。そのためには、まず学校内での教育のあり方をもう一度考える必 要があるのではないでしょうか?
今回僕がお話した体験の他にも、教育格差は様々な要因が重なり合って生まれていて、その解決策も、今回挙げたもの以外に多様に存在すると思います。この記事が皆さんの教育格差に対する考えを深めるきっかけの一つになればと思います。
〈参考文献〉
https://www.fnn.jp/articles/-/217002 https://www.tokyo-np.co.jp/article/251701 https://studystudio.jp/contents/archives/22474