はじめに
こんにちは、ミライエコールメンバーのてるです。
今回は、イギリスなどへの留学を目標にして取り組んでいる人の多いIELTSについてその種類や概要、どういった人が取り組むべきかなどをお話ししていきます!
今回扱うIELTSですが、普段留学を意識して英語を勉強されている方以外には馴染みのない資格なのではないでしょうか。
しかし非常に便利な資格ですので、是非皆様にも有効活用していただきたいと思っています!
IELTS の制度・仕組み
IELTSとは、正式名称「International English Language Testing System」というケンブリッジ大学英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシル、IDP Educationによって協同で運営されている英語検定の1つです。
IELTSの公式ホームページでは、IELTSについて以下のように紹介されています。
「International English Language Testing System(IELTS)は、世界で年間受験者数が380万人を超える、英語圏での留学や就労・移住のための、世界的に認知度の高い英語技能テストです。また、世界が認める英語技能テストとして、アメリカでは入学審査に採用する教育機関が3,000を超えており、また世界においては140を超える国々で10,000以上の教育機関、政府機関、その他機関で認定されています。」
以上で説明されているように、IELTSは主に就労や留学において活用される資格であり、4技能(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング)全てについて、0から9までのスコアで評価されます。それぞれのレベル感は下の図のような感じです。
(IELTS公式ホームページより引用:https://jsaf-IELTSjapan.com/IELTS/)
日本人受験者の平均としては5.8ほどのスコアであり、これは香港やシンガポール、その他アジア諸外国と比較しても中間に位置していることが分かります。またこれは欧州などと比較して低いスコアともなっています。
アジア16カ国のIELTSスコアの比較表(2008年)
(ブリティッシュ・カウンシルより引用:https://www.britishcouncil.jp/sites/default/files/japan-exams-IELTS-press-release-10sep2009-jp.pdf)
他の非英語圏と同様、日本人は日常場面で英語を扱うことが少なく、特にスピーキングやリスニングの面でスコアが目標に届かない人が多くいるように感じます。日本人が苦手としやすい分野も満遍なくしっかり問われるため、IELTSは難関資格であると言えるでしょう。
筆者も大学2年生の秋にIELTSに挑戦しました。スピーキングとライティングは特に苦戦しました!IELTSは海外留学や海外の企業に就職活動を行う、大学院受験を行う時などに活躍します。逆にいうと一般的に生活しているだけでは活用する機会がなく馴染みがないものになっていると思います。また、留学などではアメリカ英語を特徴としたTOEFLが評価の対象となることが多いため、アメリカ英語の学習に馴染みのある日本人は、イギリス英語を特徴とするIELTSよりも優先して受けることが多いです。しかし、IELTSは
- TOEFLよりも安価*それでも2024年1月現在で27500円するので注意が必要です
- 文章問題で扱われる問題も学術的なものが多く、教科書の内容に似せた問題のTOEFLより解いていく上で面白い
- スピーキングが対人試験なので機械で録音するTOEFLよりも実践的な試験
等々の理由からTOEFLよりも受験するメリットの多い試験となっていると私は思います。なのでぜひIELTSに取り組むことをお勧めします。
IELTSの特色
- 日常に役立つ英語力が身につく
IELTSはリスニングで実際の電話対応の場面を扱った問題や旅行ツアーの説明を聞く問題など、就労や留学の際に必要不可欠な、海外生活で実際に必要な英語を使用した実践的な問題構成となっています。旅行やビジネスなどで英語を積極的に活用したい方はTOEICや英検の勉強をするよりもIELTSの勉強をした方が何倍も役に立つことは言うまでもありません。
- 論理的思考力と正確性が重視される
IELTSの特徴としては論理的思考力と正確性が特に重視されるという点です。特にwritingにおいてはその特徴が顕著です。writingでは図や写真の状況を忠実に記述させる問題が一題と、回答者の意見を問う問題一題が出されます。前者では確実にわかることを正確に記述することが重要となり、後者では自分の意見を支える明確な例示が必要不可欠です。必要に応じては難解な語彙も必要となってくるため、こうした点がIELTSを難しくしていると言えるでしょう。
- 幅広い教養が求められる
スピーキング問題に関しても、とにかく扱われるテーマが多岐に渡り、理系の分野も文系の分野も関係なく訊かれますのでなんとなくで問題を解くことが難しいです。着実な英語の理解力が要求されます。逆に歴史や化学、生物などの知見があるとスピーキングの手助けになることもあります。英語を介した幅広い教養力が求められるのがIELTSであると言えます。私は文系であると面接官に告げると農業やロボットの将来について質問されてしまいました笑
またこれらの特徴はスコアが上がるにつれてより高度に要求されるようになっていきます。
IELTSを勉強する意義とは?
これは英検の記事でも触れましたが、IELTSのスピーキングの試験準備は、英語で自分の意見を表現する絶好の機会です。そもそも日本人が特に必要とする英語の読解力やコミュニケーション能力というのは読み・書きを問うだけの試験では到底身につきません。実践的なwriting試験とspeaking試験に向き合う必要があります。それに対してIELTSは受験を通して、各問題に対していろんなリソースから賛成・反対の情報を収集し、自分の立場を論理的に構築するという一連の練習を何度も繰り返すことで、自分の考えを持ち、自信を持って発言できるようになります。このプロセスは、単に英語力を高めるだけでなく、自分が社会の諸問題に対しての立場を確立し、社会的な議論に積極的に参加する力を養います。IELTSの勉強は、言語能力の向上と共に、自らの意見を持ち、それを堂々と表現できる人間へと成長するための貴重なステップとなるのです。どうせ時間をかけるならしっかり自分の意見をもち、発言できる、まさに将来に活きる力も養いたいですよね!だからこそ、英語学習者にとってIELTSに挑戦することは、自分自身を成長させる大きなチャンスと言えるでしょう。
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