1.定期考査、どのくらいの頻度である?
みなさんの学校ではどのくらいの頻度で定期考査がありますか?
なんと、私の母校の高校では、月1回、3~4日間の定期考査が行われ、毎回大量の課題が課され、考査の問題は出された課題の暗記を試されるようなものだったと感じています。学校の先生方は、月1回の定期考査によって学習サイクルを作ることができる、とおっしゃっていたような気がします。
個人的には、苦手な数学や理科の発展問題の理解などを「捨てる」ことでなんとか「学習サイクル」に乗れていたのかもしれません。しかし、高校時代から「この学習スタイルでは一度でも挫折したら追いつくのがかなり難しいだろうな」「こんな『ザ・詰め込み教育』みたいな感じで大丈夫なのかなあ?」と感じており、さらに大学入学後、違う高校出身の人に定期考査が月一回あったことを話すととても驚かれました。
そこで、今回は「定期考査はなぜあるのか?」について、例を元に考えてみたいと思います。
2.定期考査を廃止した学校の例
2018年度に定期考査を廃止する試みを行った千代田区立麹町中学校の例は、聞いたことのある方もいるのではないでしょうか?この例をはじめとして、定期考査を廃止する試みとして世田谷区立桜丘中学校の例や岐阜県大垣市立東中学校などの例があるようです。
これらの例の共通する試みは、定期考査を廃止し、代わりに「単元テスト」や「積み重ねテスト」を設置し、さらにこの新しいテストでは記述式の内容を取り入れたり、再挑戦を認めたりするなどの工夫がなされているようです。その目的は、生徒が自分が理解していないことが何かを知り、主体的に学習するようにすることだとまとめられると思います。
一方で、新制度のデメリットとして、単元テストを増やすことで、挫折を味わう回数が増える生徒がいることや、テストの制度自体が複雑化して分かりにくいこと、テストの回数が増えるため、教員の負担が大きくなることがあげられていました。
また、広い範囲から出される一発型のテストにも慣れないと、入試に対応できないのではないかという声もあげられています。
3.例から見える定期考査のメリットとデメリット
上で示した例を元に、定期考査のメリットとデメリットを考えてみたいと思います。
まず、定期考査にあって単元テストにないメリットを考えると、以下の点があげられます。
- 比較的範囲の広いテストによって校内の自分の学力の位置を確認できること(定期考査での学年での順位が出る場合)
- 長期的な学習計画を立てる力がつくこと
- 教師の負担が減るかもしれないこと(テストの回数が減るため)
しかし、1に関しては「あくまでも範囲が示されたテストのため、詰め込みの成果になりうる」、2に関しては「結局は短期間の詰め込みになってしまう」という反論も考えられます。
次に、定期考査のデメリットを考えると、以下の点があげられるのではないでしょうか。
- 広い範囲を一夜漬けで詰め込むことになり、生徒に普段からの学習習慣が身に着かないこと
- 同じ理由から、学習成果自体も長続きしないこと
このように、メリットとデメリットがそれぞれ存在し、お互いに絡み合っていることが分かります。
月一回は多すぎるとしても、現状、多くの学校では定期考査が行われているのではないかと思います。みなさんはこの記事を読んで定期考査の是非について、どう考えますか?
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